ドメーヌの門をくぐると、すぐ右手にはマダムの家がある。
そして正面にはセラーがあり、そこには珠玉のワイン達が新樽でうず高く積まれている。
そのセラーを抜けるといつも試飲をするスペースがある。
タンザーなどの著名なジャーナリストもここで試飲を行うそうだ。
そのスペースからはこのブリュネルを見渡すことが出来る。
樹齢は約 50 年。
フィリップ達の祖父と曾祖父が植え替えた区画で父からよく聞かされたそうだ。
畑の周囲には 2005 年に植えたサクランボやイチヂクがあり、毎年、収穫の頃に大きな実を付けるとの事。
とても大きな実で、スーパーなら 1 粒 1ユーロはするそうだ。
サクランボは自分が植えたんだよととても誇らしそうにピエール・ジャンが話していた。
マダムがそれからジャムやチェリータルトを作るそうで、家族を始め、収穫を手伝ってくれる人たちにも、とても好評なのだとか。
品種はグリオット・チェリーといい、フランスなどヨーロッパで、ケーキやチョコレートに使われる酸味のあるチェリー。
通常はシロップ漬け、キルッシュ漬けにされることが多い。
ブリュネルの区画は、クロ(塀)に囲まれている。
塀に囲まれているおかげで、熱が滞留するので、ブドウが他と比較すると熟しやすいようだ。
果実の風味が豊かで、熟度と密度が高く、より親しみやすい印象。
周りに植えられたサクランボやイチヂクの風味も不思議と感じられる。
ブラックベリー、ブラックチェリー、カシス、甘草、レザー、土、ミネラル、スミレ、赤身肉、煙、ブラックカラントなどの香りも印象的。
輪郭がくっきりとあり、焦点もしっかりと定まっている。
ミネラリーで質感のキメ細かさは絶品。
(現地ドメーヌレポートより)Joseph Roty / ジョセフ・ロティロティ家は当主のジョセフ・ロティ氏で23代目(ドメーヌとしては11代目)になるジュヴレ・シャンベルタンの名門ドメーヌ。
現在、畑仕事や醸造は2008年8月に亡くなった父親に代わり、息子であるフィリップ・ロティ氏が全て行い、2003年からは彼の弟もサポートしています。
彼らの畑には多くの古木があり、地中深くまで根を伸ばし、そこから様々な要素を地上に引き上げ、そこからできた葡萄はその段階で既に他とはまったく比較にならないほど素晴らしく複雑な味わいを持っています。
醸造法は古典的で、トロンセの樽を100%使用し、一年近くも樽熟させます。
リュット・レゾネで栽培され、清澄や濾過をしないで造られるワインはモダンの要素をうまく取り入れたクラシカルなスタイル。
(ジョセフ・ロティとフィリップ・ロティは法律上の名義分けによるもので、造り方等は同じ)最近ではD.R.Cと全く同じ葡萄の選別機、プレス機などを新たに導入するなど、より凝縮されたピュアな味わいを表現し、改めてこのドメーヌの持つとんでもなく凄まじい力を世に知らしめました。
驚くべき長命で複雑味溢れる香りと、洗練され、しなやかさと力強さとを見事に調和させた素晴らしいワインの数々。
スティーブン・タンザー氏やロバート・M・パーカー氏など多くのジャーナリスト、評論家が全てのキュヴェに対して大変高い評価を与えており、その人気は近年とどまる所を知りません。